『その時』は必ずやってくるもの。しかし「まだ早い」「縁起でもない」と整理を始められない方が多いと思います。
いざとなると本人も家族も気持ちの余裕がなくなり、トラブルになることも考えられます。身体も心も余裕があるうちに始めましょう。
まずは物理的な物の整理を考えます。家族が困らないよう元気なうちに少しずつ片付けていくことが大切です。気力、体力が伴わないとなかなか手につきません。
次に心の整理です。思い出が詰まった品や高価でなかなか手放したくないものなど様々でしょう。しかし、そのような品も区切りをつけなければなりません。現代のツールも駆使して、本人や家族との話し合いのもと、片付けていく必要があります。
最後に情報の整理です。介護制度の確認や、複数の葬儀業者から見積りを取ったりと、今後予想される事象に備え情報を得て、自身の思いをまとめておきましょう。
「遺品整理」とは亡くなった人の住まいや持ち物を整理、処分する作業のことをいいます。家財処分や清掃、古物買取などはもちろん,亡くなった方の親の荷物の整理も含まれます。
「生前整理」は存命の人の住空間を整理することをいいます。日常的な清掃や片づけ、引越しの延長線上にありますが、元の生活環境に復帰しない前提の大幅な整理、処分のニュアンスが強くなります。
介護施設に移る際、「自宅を片付けたい」というケースが多く、本人が行う場合もあれば、本人が高齢や健康上の理由で家族が行う場合もあります。一般的に、高齢者の持ち物は多く、年々身体が不自由になっていくため、思うように片づけや掃除をすることができなくなっていきます。
また、突然倒れて入院となる場合や、そのまま亡くなってしまうケースも少なくなく、子供たちは遺された住まいや家財の整理、処分に手を焼くことになります。
長寿化が進む昨今、90歳を超えて亡くなる人も珍しくありません。その場合、子供も高齢であるため、力仕事は体力的に難しい・・、かといって40~60代は仕事や子育てで忙しく親や祖父母の家の片づけに費やす時間は捻出しにくい。そのため、「生前整理」をしようと思っていても、結果的に「遺品整理」となってしまうケースが少なくないのです。