10月9日はスポーツの日ですね。東京オリンピックの開会式を記念した日です。「スポーツを楽しみ、他者を尊重する精神を培うとともに、健康で活力ある社会の実現を願う」日、とされています。
【「スポーツの日」のはじまりは東京オリンピック?】
日本で初めて開催された1964年(昭和39年)東京オリンピック。この年の10月10日に開会式が行われました。気象庁の統計から、秋雨前線が去り、晴れる日が多いことから、10月10日が選ばれたようです。これを記念して1966年(昭和41年)からは、10月10日が「体育の日(現在は、スポーツの日)」として祝日法により制定され、国民の祝日となりました。東京オリンピックの感動体験から体育の重要性を広める意味も込められているようです。
【どうして10月10日でなくなったの?】
当初は、10月10日が「体育の日」でしたが、「ハッピーマンデー制度」の導入により、「国民の祝日」の一部は、月曜日に移動し3連休になる制度がはじまりました。連休にすることで、余暇を充実させ、ゆとりある国民生活の実現が目指されたのです。
これにより、2000年(平成12年)からは、10月の第2月曜日が「体育の日」となりました。ちなみに、2020年(令和2年)は、東京オリンピックの開会式に合わせ、7月24日に移動、その後延期となった2021年(令和3年)も、例外的に7月23日に「スポーツの日」が移動となり、10月は祝日のない月となりました。
【「体育の日」はいつから「スポーツの日」になったの?】
2020年(令和2年)に開催予定だった、東京オリンピック・パラリンピックをきっかけに「体育の日」は、「スポーツの日」と名称が変わりました。教育的な意味合いが強い「体育」という言葉よりも、運動することを楽しみ、スポーツの素晴らしさを世界各地の人々と共有しようと、「スポーツ」という言葉が使われるようになったそうです。
秋晴れの日が多いこの時期は、運動会のシーズンでもありますね。昔は、「体育の日」=「運動会」というイメージがあった方もいるのではないでしょうか?
運動会は、ヨーロッパを起源として日本に広まりました。日本の学校で運動会が行われるようになったのは、明治の初めごろです。1874年(明治7年)に東京・築地の海軍兵学寮でイギリス人英語教師の発案により「競闘遊戯(きそいあそび)会」が行われました。これが日本の運動会のはじまりといわれています。その後、1883年(明治16年)に東京大学で「運動会」という名称が使われるようになり、大学などで行われていた運動会は、徐々に全国の小中学校へと普及していきました。
初期の運動会は、心身の鍛錬や集団訓練といった、優秀な兵士を育てるための訓練を目的として行われていました。かけっこや、棒高跳びをはじめとした「走る・投げる・跳ぶ」など競争的なものから、時代と共にレクリエーション性の強いものへと変わってきました。そして、大正時代には、現在のような運動会の形になり、最近では、協調性を養うため、ダンスを行ったり、順位を決めなかったりとすることもあるようです。
【紅白の由来は?】
日本では、紅組、白組で運動会を行う学校がほとんどですが、実は紅白でチームを分けるのは日本だけのようです。これは、平安時代の源平合戦に由来するといわれています。
源平合戦では平家が赤い旗、源氏が白い旗を掲げて戦っていました。この戦いが由来となり、運動会では赤白帽子をかぶり、紅白に分かれて開催されるようになりました。
また、運動会当日、世界の国旗が飾られるイメージがありますね。これは、明治時代、日本に入港する船が友好の証として、日本の国旗と、自国の国旗を掲げていたことに由来しているそうです。