3月3日桃の節句は、お子さま・お孫さまのすこやかな成長を願いましたね。今回のテーマは、お子さまの成長を見守られてきた親御様にとっても大切な節目である「卒業式」。この春ご卒業を迎えるお子さま、そしてご家族様へ心よりお祝い申し上げます。令和2年以降、新型コロナウィルスの感染拡大により、卒業式が相次いでキャンセルや延期になったり、保護者の参加を制限したりと、形を変えて行われてきました。卒業式も日本の年中行事の一つですので、意味を理解して身近なお子さまたちの門出をしっかりとお祝いしたいですね。
卒業式とは、その学校でのすべての教育課程を学び終えたことを認定し、卒業証書を授与するお祝いの式典です。「卒業証書授与式」ともいいます。
幼稚園や保育園では「卒園式」、大学・大学院の場合は、「学位記授与式」といいますね。
お世話になった先生や絆を深めた友達と別れることへの寂しさや、新たな環境への旅立ちの期待と不安。卒業を迎えられる子どもたちにとっても、それを見守る親御様たちにとっても、大切な節目です。
【卒業式の起源は?3月に卒業式は日本だけの常識?】
日本では明治5年、学制という学校教育に関する制度が施行されました。学年ごとに試験修了者に対して卒業証書が授与されたことが卒業式の起源と言われています。その後、明治10年代ごろに現在のような儀式として浸透していきました。
年度初めが4月の日本では、多くの学校で3月に卒業式が行われます。一方、アメリカや台湾などでは6月、イギリスでは7月に行われるなど国によって卒業式の時期もスタイルも全く違います。そもそも学校の課程修了が試験によって認定される国では「卒業式」という概念が存在しないようです。
【何を着る?】
基本的には儀式の場のため、卒業生は、制服、またはスーツ・礼服・袴などを着用します。山形の小学校では、進学する中学校の制服を着用することが多いようです。地域でバラつきがありますが、おとなり宮城では女子はジャケットにチェックスカートなどのセットアップ、男子はおしゃれカラーのスーツが定番でした。(さっちゃん談)
大学生の卒業式では袴姿の女子学生をよく見かけますが、高等学校への進学が珍しかった明治時代は、多くの女の子たちの憧れだったそうです。
教員のドレスコードも、校長は正礼装(モーニング、女性は袴)、教頭・卒業生の担任教諭は準礼装、その他教諭も略礼装以上を着用するのがマナーです。
卒業生の父親はスーツとネクタイ、母親はセレモニースーツやワンピースなどを着用します。
【第二ボタン?】
卒業式のあと、第二ボタンをもらったりあげたり…。そんな話を聞いたことがあるかもしれません。そもそもなぜ第二ボタンをあげるのでしょうか?
第二ボタンは「一番大切な人」を意味しているそうです。ちなみに、第一ボタンは「自分」、第三ボタンは「友人」、第四ボタンは「家族」、第五ボタンは「他人」を表しているといわれています。
所説ありますが、戦時中の少年たちが戦地へ旅立つ際、軍服の代わりに着ていた制服の第二ボタン(無くても目立たないため)を、自分の形見として大切な人に渡したともいわれています。そのため、卒業式に一番大切な人に第二ボタンをあげるのです。
【卒業式の定番ソングといえば?】
各年代によって卒業式の定番ソングに違いがあるようですが、一貫して人々の心に残っているのは、「仰げば尊し」のようですね。
その他、根強い人気のある卒業ソングとしてよく耳にするのは、
「卒業写真/荒井由実(松任谷由実)」、
「贈る言葉/海援隊」
「なごり雪/イルカ」
などがあります。
また、10代~30代の間では、
「YELL/いきものがかり」
「3月9日/レミオロメン」
「手紙~拝啓十五の君へ~/アンジェラ・アキ」
など最近の曲が人気のようです。