荷物の持ち主がすでに亡くなっている「遺品整理」は、残すものよりも処分するもののほうが多くなってしまう場合が多いです。また、持ち主が本当はどうしてほしかったのか、売却か寄付か、大切に受け継いでほしかったのか、確認することはできません。
その結果、個人が大切にしていたものや価値のある物でも、それを知らない遺族や遺品整理業者によって、ゴミとして無造作に扱われる可能性があります。
その点、生前整理なら、自分の手で整理することで、写真や手紙などの思い出の品が見つかり、懐かしい友人に連絡をとってみたくなったり、若いころ挑戦したことを思い出したり生きているうちにやっておきたいことに気づくことができます。
生前整理は、単なる家の片づけではなく、「心の余裕を生むための活動」なのです。
特に、生前整理を親子同士で行うことができれば、親の若かったころの話や、普段なかなか聞けない現在の不安なこと、自分の死後にどうしてほしいかなど聞き出す、「かけがえのない時間」にすることもできます。
「迷惑をかけたくない」「もう長くはないから」というマイナスな感情からではなく、過去を振り返ることで、これからの人生をより良く生きるきっかけとなるため、「後悔のない人生を送る鍵になる」というプラスの感情で取り組めるのが生前整理なのです。